体の変調

首を触るとしこりがある 甲状腺のしこり

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◯甲状腺にしこりがあります。

甲状腺が大きくなって腫れたものを 甲状腺腫と呼びます。 このうち一部がしこりのように腫れると結節と呼ばれます。自分で首を触っていて気づく場合や、首のエコーやCTをした時にたまたま見つかる場合などがあります。結節があるときに重要なことはその結節が悪性腫瘍かどうかです。ただし甲状腺のしこりのうち約90%は良性のものと言われています。また悪性であっても根治が期待できることも多く、過剰に心配する必要はありません。


◯どのような検査がありますか?

まず、甲状腺の超音波検査と採血検査(甲状腺ホルモンなど)を行います。その上で細胞診の必要があれば穿刺吸引細胞診を行い、適応がなければ経過観察となります。


◯甲状腺の腫瘍にはどのようなものがありますか ?

良性のものとして嚢胞、腺腫、腺腫様甲状腺腫があります。悪性のものとしては、①乳頭がん、②濾胞がん、③低分化がん、④髄様がん、⑤未分化がん、⑥悪性リンパ腫などがあります。

①乳頭がん:甲状腺がんの中で90%を占めるのが乳頭がんです。どの年齢の人にも発生する可能性がありますが、多くの場合30歳から50歳の人に発生します。 治療によって治ることが多いのが特徴です。

② 濾胞がん: 甲状腺がんの中で5%を占めます。濾胞癌は50歳以上の人に発生する事が多いです。肺や骨に転移することが多いと言われています。このがんも治療によって高い治癒率が期待されます。

③低分化がん: 他の甲状腺がんより悪性度がやや高く通常の治療に反応しないことがあります。

④ 髄様がん: 甲状腺がんの中の1%を占める稀ながんです。 家族性に発生する事があり、原因遺伝子も同定されています。

⑤未分化がん:60歳以上の人に多い甲状腺の癌で、急速に進行し治療が困難な場合があります。また急速に拡大して呼吸や飲み込みが困難になることがあります。

⑥悪性リンパ腫:甲状腺の病気である橋本病では、甲状腺に悪性リンパ腫が発症することがあります。 悪性リンパ腫も治療によく反応すると言われています。


◯どのような人が甲状腺がんになりやすいですか?

女性は男性より約3倍甲状腺がんになりやすいと言われています。 女性ホルモンであるエストロゲンに関連している可能性があると言われています。また頭頸部がんを患った方で頭頸部への放射線治療をしたことのある方は甲状腺がんのリスクが高いと言われています。 他にも遺伝性の病気で甲状腺がんになりやすい人がいます。


日吉かもめ内科・整形外科クリニック 杉本 洋一郎

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