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循環器内科の病気

無症状のまま進行する大動脈瘤

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◯どのような病気ですか?

大動脈は、心臓から出て全身に枝分かれしていく体の中で最も太い血管です。この血管は通常20-25mm程度なのですが、これがこぶのように膨らむ病気が大動脈瘤です。胸部にこぶがある場合を胸部大動脈瘤、腹部にこぶがある場合を腹部大動脈瘤といいます。一定以上の大きさになると破裂リスクが高まりますので治療が必要となります。


◯どのような原因がありますか?

高血圧や脂質異常症、糖尿病などが原因で大動脈にこぶができます。その他喫煙や睡眠時無呼吸症候群、血管に炎症を起こす病気などとも関連性があると言われています。マルファン症候群など先天的に大動脈の血管壁が弱い人もいます。


◯どのような症状がありますか?

症状は無いことの方が多いです。胸部大動脈瘤の場合は大きくなると反回神経という神経を圧迫して声が枯れることがあります。また食道が圧迫されて物を飲み込むことが困難になるといった症状が出ることもあります。腹部大動脈瘤の場合は大きくなるとおなかで動脈の拍動を自覚する場合があります。

動脈瘤は破裂すると激しい痛みを生じます。胸部大動脈瘤では胸や背中の強い痛み、喀血などが多く、急激にショック症状になったり、突然死したりすることもあります。腹部大動脈瘤でも腹痛や膨満感がありその後急激にショック状態になることも多いです。


◯どのような検査がありますか?

レントゲン、エコー、CTなどで診断します。破裂の疑いがある場合は緊急のCT検査で診断します。


◯どのような治療がありますか?

大きさによって方針は異なります。部位によってこぶの大きさの手術適応が決まっており、その大きさに達するまでは半年~1年に1回のエコー/CT検査にてフォローしていきます。大きさでいうと、腹部では4-5cm以上、胸部では5-6cm以上、末梢血管では3-4cm以上がおおよその目安となります。急激に大きくなっている場合は手術を早めることもあります。またこぶの形状によっても手術を早めた方が良い場合があります。ステント治療や人工血管を用いた手術があります。


◯どのような予防方法がありますか?

血圧のコントロールが最も大事です。 また喫煙も大動脈瘤の発生に関与していると言われていますので喫煙されている方はできるだけ早期の禁煙が望まれます。 また急激な血圧上昇を伴う、熱いお風呂への入浴や便秘による排便時のいきみなどは、大動脈瘤破裂の原因になりますので注意が必要です。

日吉かもめ内科・整形外科クリニック 杉本 洋一郎

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