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生活習慣病

ウゴービ~肥満症の新しい治療薬(保険適応)

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2023年1月27日、厚生労働省より「肥満症」を対象疾患としたウゴービ皮下注(セマグルチド)が承認されました。このお薬は体重減少効果が非常に高い週1回皮下投与型のお薬で、欧米では日本に先んじて肥満治療薬として承認を受けています。

これまでの肥満症治療

これまで「肥満症」に対する保険診療で使用可能なお薬としてはサノレックスや防風通聖散がありました。しかし、サノレックスや防風通聖散はBMI>35(身長160cmで体重90kg以上)の高度肥満症にしか使用できないという制限がありました。今回のウゴービ(セマグルチド)は、いくつかの条件下ではありますが、BMIが27以上であれば保険適応で使用できるお薬となっています。

ウゴービ(セマグルチド)とは

ウゴービ(セマグルチド)とは、糖尿病治療に使用される薬剤の一種で、GLP-1(Glucagon-like peptide 1)受容体アゴニストと呼ばれる薬剤です。GLP-1は、血糖値を下げ、食欲を抑制する働きを持つホルモンであり、セマグルチドはこれに作用して糖尿病患者の血糖値を管理するのに役立ちます。セマグルチドが体重減少に効果があるとされているのは、脳の食欲中枢を刺激するグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)の受容体を刺激し、食欲を抑制することによるものです。

セマグルチドを使用した臨床試験では、12週間から1年間の期間で平均体重減少量は約5〜15kgであることが報告されています。また、一部の研究では、他の肥満治療薬と比較してより効果的であることが示されています。副作用としては悪心、下痢、便秘、嘔吐などの胃腸障害です。

ウゴービの適応としては以下になります。

「肥満症 ただし、高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。」

① BMIが27kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する
② BMIが35kg/m2以上
※)肥満に関連した健康障害は、冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞)、脳梗塞、脂肪肝、睡眠時無呼吸症候群、月経異常、変形性膝関節症、慢性腎臓病などが挙げられます。

日吉かもめ内科・整形外科クリニック 杉本 洋一郎

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