生活習慣病

患者数4000万人 高血圧

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高血圧は頻度の高い生活習慣病です

高血圧の人は極めて多く、患者数が約4000万人と最も頻度の高い生活習慣病です。


高血圧の問題は何でしょうか?

血圧が高い状態が長く続くと血管や心臓に負担がかかり、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞、心不全、不整脈、腎不全、末梢動脈疾患など、さまざまな循環器の病気を引き起こします。しかし、ほとんどの場合ではあまり自覚症状も無いため、なかなか患者さんに治療の重要性を説明するのが難しいのも事実です。

こちらをお読みになられているみなさんなら、血圧を測ったことくらい一度や二度はおありだと思います。血圧計がぐーっとしまって、数値が160~180を指したとき、どれくらいの圧力を感じますか?恐らくかなりの圧迫感を感じられるのではないかと思います。

高血圧というのはこれくらいの圧が体内の臓器に持続的にかけられていると想像してください。そう思うとどう考えても放置しておくのは賢明ではないと分かるはずです。


高血圧の原因は大きく2つに分けられます

  1. 本態性高血圧:約90%を占める高血圧です。原因がはっきりしない高血圧といわれていますが、もともとの体質や塩分過多、運動不足、過度の飲酒、喫煙、ストレス、肥満、糖尿病、脂質異常症などが関係しているともいわれています。
  2. 二次性高血圧:約10%を占める高血圧です。睡眠時無呼吸症候群、ホルモン異常、腎血管性、薬剤性などの原因があり、原因を取り除くことで血圧を下げられる可能性があります。したがって原因除去後は薬を中止したり減らしたりできる可能性があります。ただし頻度が少なく、一般の病院でも見逃されていることがとても多いです。その場合、漫然と高血圧の薬を続けることになりますが、原因が除去されないので根本的治療にはつながりません。ではどのような時にこうした高血圧を疑えば良いのでしょうか?

以下のようなケースでは二次性高血圧を疑わなければいけません

  1. 30歳以下の若年発症
  2. 治療抵抗性(たくさんお薬を飲んでも改善しない場合)
  3. いびき、肥満、日中傾眠
  4. 採血で電解質(カリウム)の異常
  5. 急激な血圧変動やほてり

高血圧の治療はお薬による治療と生活習慣の是正の2つの方法があります

1.薬物治療

高血圧の治療薬には様々なものがあります。患者さんのリスクや合併症を考慮して最適な治療薬を選択していくこととなります。例えば

心不全患者さんの場合:ACE阻害薬/ARB/ARNIやβ遮断薬、アルドステロン受容体拮抗薬

糖尿病の患者さんの場合:ACE阻害薬/ARB

など、薬剤選択が非常に重要になります。内服する用量などにも微調整が必要で、この辺の薬剤調整はまさに循環器内科医の得意とするところでもあります。血圧を10mmHg下げることで、心筋梗塞の発症リスクは約20%減り、脳卒中の発症リスクは約30%減ると言われています。

2.生活習慣是正

塩分摂取は1日6g以内にする、魚中心の食事にする、野菜・果物をとる、少しきついと感じる運動を1日30分以上行う、禁煙する。


家庭での血圧測定をおすすめします

いつもは血圧正常なのに病院で測定すると高いなんてことはありませんか?これは白衣高血圧といって病院に来たことで緊張して血圧があがってしまうという現象です。この血圧だけを基にして治療をしていくのは難しく、やはり家庭での血圧測定をおすすめしております。家庭での血圧測定は、とりあえず朝夜の1日2回が良いです。朝は起床後に排尿した後、朝ごはんを食べる前に座った姿勢で測定しましょう。夜は寝る前に座った姿勢で測定しましょう。朝も夜も連続2回測定して平均をとるとなお良いと思います。

日吉かもめ内科・整形外科クリニック 杉本 洋一郎

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