体の変調

検脈のすゝめ 動悸

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◯胸がどきどきする感じがあります。とても心配になるのですがどのような病気が考えられますか?

動悸を訴える患者さんは多くいらっしゃいます。動悸は放っていて良いものから、治療が必要なものまで様々です。よくある動悸の原因としては期外収縮、心房細動、発作性上室性頻拍症などの不整脈が挙げられます。また貧血や低血糖、心不全などでも動悸を訴える方はいらっしゃいます。


◯どのような検査が必要ですか?

普通の心電図に加え、24時間ホルター心電図が必要になります。不整脈の診断は「現行犯逮捕」が基本です。すなわち、動悸を感じている時の心電図さえ見ればどのような不整脈が原因で動悸と感じているかが分かるのです。24時間ホルター心電図を取ることにより、長時間の心拍の観察が可能になり診断に繋がりやすくなります。


◯検査では不整脈はありませんでした。どのように対処すればよいですか?

貧血や低血糖などその他動悸を引き起こす病態が無ければ、病的ではありませんので通常薬での治療は必要ありません。しかしそうはいっても心臓の症状は人によっては耐え難いこともあります。ご不安が強いケースではそうした不安からさらに脈拍が早くなり悪循環に陥っているケースも見られます。このようなケースでは抗不安薬の内服や交感神経を鎮めるようなお薬が良く効く場合があります。


◯不整脈であった場合、どのような治療が必要ですか?

まず心臓に器質的な異常がないか心臓エコー検査が必要です。心臓の動きが悪くなったり、心臓の中に逆流や狭窄がある場合、心臓への負担が高まりその結果として不整脈がでているケースがあります。この場合不整脈を単独で治療するというより、本質的な心臓の病気への治療が必要となってきます。

その上で不整脈に対する治療としては内服治療や入院して行うカテーテルアブレーションという治療があります。それほど多発していない期外収縮などの軽い不整脈の場合は、お薬なしで経過観察することもあります。


◯日常生活ではどのようなことに気を付ければよいですか?

お酒は特に不整脈を引き起こしやすいことで有名です。また睡眠不足やカフェインの取りすぎ、ストレスなども原因となりますのでそうしたものを排除していくことがとても大切になります。

また動悸が起きた時に検脈が自分で出来ればその時の脈のパターンを医師に告げることで診断の参考になることがあります。「どんなリズムだったか(規則正しかったか、そうでないか)」「速さはどれくらいであったか」が重要です。検脈の仕方ですが、下の絵のように片方の手首の親指側を反対側の手の指3本で軽く触れます。そうするとトクットクッと脈が触れるかと思います。正常では安静時で1分間に60回程度触れますので、試してみると良いでしょう。

日吉かもめ内科・整形外科クリニック 杉本 洋一郎

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