一般内科の病気

実はよく似ている喘息と心不全の症状

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◯喘息とはどのような病気でしょう?

喘息は、空気の通り道となる気管支が狭くなり、息苦しくなる病気です。喘息では、気管支に慢性的な炎症が起こっています。炎症があると痰が出やすくなったり、刺激に対して過敏に反応し気管支が収縮しようとしたりして気道が狭くなるという発作が起きます。


◯どんな症状だと喘息を疑いますか?

ヒューヒュー、ぜーぜーという特徴的な呼吸音がします。このような時は喘息を疑います。また、夜間~明け方に悪くなる咳、季節の変わり目や運動・ほこりによって悪化する咳、風邪の後の咳、アトピー性皮膚炎や花粉症のある方の咳も喘息を疑います。


◯喘息と間違えやすい病気にはどのようなものがありますか?

心不全という病気は俗に「心臓喘息」と呼ばれています。心不全でも喘息のようなひゅーひゅーという音がする場合が多いためです。病歴や身体所見、レントゲンである程度見分けることが可能です。治療方法が全く違うので注意が必要です。


◯どのような検査をしますか?

呼吸機能検査を行うことがあります。しかし異常が検出できないことも多々あります。その場合呼気NO検査という検査を行います。吐く息に含まれる一酸化窒素(NO)を測る検査です。喘息によって気道が炎症をおこすと一酸化窒素が多く産生されます。そのためNOの数値が高い場合、喘息の可能性が高くなります。


◯どんな治療が必要ですか?


主に抗炎症作用のあるステロイドや、気管支拡張作用のあるβ2刺激薬の吸入薬で治療していきます。吸入薬には2種類あり、発作が無くとも使用すべきコントローラーと呼ばれる吸入薬と、発作時だけに使用するリリーバーと呼ばれる吸入薬です。重症度にあわせてこれらの薬を組み合わせていきます。この他、ロイコトリエン受容体拮抗薬やテオフィリン製剤をあわせて使用することもあります。

アレルギーが関与する喘息の場合、発作を誘発するようなアレルゲン(原因となる物資)の除去が必要です。また、かぜなどの感染症、たばこの煙、天候、運動、ストレスなど、アレルギーが関与しない喘息の方も多くいらっしゃいます。天候など、避けられない誘因もありますが、できるだけこれらの原因にさらされないような心がけが必要です。


◯喘息は危険な病気です

喘息は医療の発達した現代でも時に死に至ることがある危険な病気です。そのため症状が無い時もコントローラーと呼ばれる吸入薬をしっかり使うことがとても大事です。治療を行えば、多くの場合日常生活に支障がない程度までコントロールすることが可能です。

日吉かもめ内科・整形外科クリニック 杉本 洋一郎

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